寿司のチェーン店に行った。
思い返せばもう何年も行っていない。
安価でチープな寿司が嫌いということもなく、むしろ貧乏舌にはちょうどいいと思っていた。
ただ、機会がなかっただけだ。
ひとつ前に行った時、私はまだ学生で、ひと口皿が進むたび当然のように上がるお勘定に怯えて、ゆっくりゆっくり噛み締めるように食べていた。
今はもう、大丈夫。
予算は1万円と決めて挑んだのに、いざ食べ始めたら意外と箸が進まないのだから驚いた。
無論、味のせいではない。歳のせいだ。胃袋が悪い。
結局5千円ほど食べて、ポンポンと腹を叩きながら帰宅。
満足感と、ちょっぴりの悲しさを抱えた帰路であった。